二つの言い訳と開いたカーテン <ラブライブ!スーパースター!! TVアニメ2期 第4話「科学室のふたり」感想>

ちょこっと残しておきたいことができたので、部分的にですがスーパースター!! 2 期の感想を書き留めておきたいと思います。

米女メイ

メイちゃんは、スクールアイドルにどっぷりハマっているにもかかわらず、向いてないから自分でやるのは無理だと言います。

ただ屋上でのやり取りを見れば、やらない理由「向いてない」は方便だと分かる。

アニメ「ラブライブ!スーパースター!! 2 期」第 4 話より

スクールアイドル活動を始めたらそっちに時間を取られ、科学室から足が遠のくのは必然です。そうなれば四季を一人ぼっちにさせてしまう。それこそがやらない理由の本命で……? という話の流れだったように思います。

これを、親友のことをおもうメイちゃんの気持ちだと考えるのは悪くないですよね。「向いてないからやらない」は、四季を一人にさせないための “言い訳” だと。彼女の優しさが現れています。

しかしこれって逆も言えるんですよねえ。「四季を一人にさせない」は、アイドルを諦めるための口実だとも。

メイにはまず、「私にアイドルは無理だ」があって、その “認めたくない事実” を呑み込むために言い訳を探してきたのだとも取れませんか。だとしたら、ちょっといただけません。

例えばの話ですが、主張するのが「(私が)四季と一緒にいたい」「過ごす時間をもっと大事にしたい」等であれば、これはメイちゃん本人の願望ですから構わないのですよ。やりたいことの優先度の問題であって、アイドルをするにしても親友と一緒に居るにしても、どちらを選ぶも彼女次第でしょう。外野がとやかく言える話ではありません。

ですが、やりたいことを “我慢” する理由に他人を持ち出してきて、オマエのためだからと言うのは……私には傲慢が過ぎるように思います。

そりゃあ四季も怒りますよ。

四季はずっとメイを見ていて、そんなにやりたいならさっさっと入部すればいいのにと思っているわけです。なのに、グダグダ言ってやらないだけならまだしも、自分がそのダシに使われたら、たまったもんじゃないでしょう。「一緒にいてなんて頼んだことない」とキツい台詞が飛び出すのも頷けます。

そうですね、この見方は四季視点からの物語の切り出しですから、メイちゃんには厳しめに当たっています。でもこれくらいのほうが最後のシーンの台詞が映えると思うんですよね。

メイ
四季が近くにいてくれたら、頑張れそうな気がするんだ

四季は、好きなことを諦めるための言い訳だったはず。それが変化して、今度は好きなことへの扉を開く勇気になる。今回の米女メイの物語ってそんな感じなのかなあ、などと考えるのです。

若菜四季

四季は感情が表に出ないようで、出ているようで、でもやっぱり読み取りにくいように思います。実際彼女の心の内ってどうなっているのでしょうね。

彼女の居室はカーテンが引かれていて常に薄暗い感じなのが印象的でした。しかしすべてが閉じられていたわけではありません。カーテンは一部開いていました。そしてそこから覗けるのが屋上。タブンこれは一つの記号ですよね。

科学室でカーテンが開いていたのは、もちろんメイちゃんが屋上の様子を見るためです。それでもこの場所は四季のホームと捉えるべきでしょう。

つまり、「四季の部屋のカーテン」を「メイ」が「屋上に向けて開けた」。

親友の影響でアイドルに興味を持った彼女をそのまま表しているんじゃないかなあと思うんですよね。

一度は拒絶してメイちゃんが科学室に来なくなっても、彼女はカーテンを閉めていませんでしたものね。開けてあるのは親友のためだけじゃなくなっていることの現れでしょう。

アニメ「ラブライブ!スーパースター!! 2 期」第 4 話より

また、部屋に関してはカーテンだけじゃありません。「開いていて外とつながる場所」が彼女の居室にはもう一箇所ありましたよね。そう、メイちゃんが入ってくるドアです。

あまり野暮な指摘はしたくないのですが……。このドア、同じく最後のシーンでやっぱり開けっ放しになってるんですよねえ。メイちゃんにはもう来るななどと言っておきながら、ね。